月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


水の都の観光紀行

初めてARIAを読んだのは高校生の頃。アニメ化されたタイミングで書店で平積みにされていたのを何気なく手に取った記憶があります。
それ以来、その素敵な世界観と入り組んだ町並みの描写、優しい物語に心奪われ、本を買いグッズを買いずっと追いかけていました。
アニメも原作も大団円を迎えた後も、ずっと大事な作品として心に残り続けて長い時間が経ちました。
一昨年くらいから、アニメ化10周年と称して劇場版新作の公開や新規のイベントの開催、原作の“完全版”の刊行など、諸々の活動が再び始まり「あの頃のファンが小金を持つ年頃になったから、収穫に来た」などと嘯きながらも、結局はまた貢いでしまう今日この頃。
先日もようやくARIA関連のイベントに初めて参加しショーロ・クラブの生演奏を堪能したりしていましたが、いよいよもって機は熟したと言えるでしょう。

出張案件で失われた先の連休分の代休を確保し、何やかやで独身貴族の果てに小金も貯まってきた5月半ば。
海外旅行にも徐々に慣れてきて、ようやく遠出する度胸も備わってきましたし、一念発起して念願だった聖地ヴェネチアに渡航するなら今を置いて他にない程の好機が到来しました!


初めての渡欧に、いつにも増して準備は入念に。ガイドブックで予習をしたり、同じ土地に3泊もする余裕をもたせた日程を組んだり、種々の予備品も多めに揃えたりと、未だかつて無いほど慎重な手配を重ねて、いざ出発です。
成田空港からアブダビ経由のエティハド航空を利用して、ヴェネチア・マルコ・ポーロ国際空港へ約20時間の道程です。
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途中、窓のない“窓際席”を割り当てられたり、アブダビで預け荷物だけ足止めを喰らいイタリアに届かなかったりと、多少のトラブルは有りましたが、体とカメラは無事に目的地に到着です。

空港からはヴェネチアへ向かう路線バス、水上バス、水上タクシーが利用可能。水上バスとタクシー、乗り場が殆ど同じで若干紛らわしいですが、値段が段違いなので間違えないように注意して乗りましょう。
ヴェネチア内での目的地により路線が違うようですが、駅方面へ向かう水上バスはマイナー路線なようで乗船したのは私一人です。
小船を独占して大きな澪標に守られた航路を進むこと40分ほど、数え切れないほどの水上タクシーに追い抜かれながらも、いざ憧れの水の都に到ります。
そう、入り組んだ水路に迷宮めいた路地と密集する住居群、ずっと憧れていた街に到着です。
「サンタ・ルチア駅の近くで降ろして」と伝えたものの、降ろしてもらったバス停からサンタ・ルチア駅の方向が杳として知れません。不本意ながらもgoogle mapに頼りながら駅へ向かい、紙の地図や水上バスのきっぷ調達に向かいます。
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無事に駅にて必要な品々の調達を済ませたら、紙の地図頼りに街歩きの始まりです。
到着早々に出くわすは日用品を積み込んだ小船さん。車両の進入ができないこの街で、日常の足も荷役も船が主力になるとは聞いていましたが、到着早々にもう遭遇です。
時差ボケも眠気もふっ飛ばして、テンションは初っ端から最高潮。折角、72時間も滞在時間を確保したのですから「急ぐ旅ではない」を合言葉に、贅沢に非効率にARIAらしく巡ります。

小道を抜けて広場を巡り、地図と勘を頼りに行き当たりばったりな博物館巡り。道中にはもちろん写真を撮るのですが、大体どこを切り取っても絵になるのが凄いですよね……。
あれこれと順序も何もなく巡ったので、どこで何に遭遇したのかも曖昧なレベルです。
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強いて重要な箇所といえばボーヴォロ階段でしょうか。ARIAの作中で幾度となく登場し、特に魔女ベファーナの話や劇場版の終盤でのシーンが印象的でしょうか。どちらもアテナさんに絡む話です、とても大事です。
一部の観光サイトでは閉鎖中との情報になっているのですが、私の訪れた2017年5月は公開中。入場料こそかかりますが、中からの眺望も満喫することができました。

他にも階段と水路が建物に突き刺さった何気なくもワクワクするような路地から、ドゥカーレ宮殿と牢獄を結ぶ“ため息橋”の中からの眺望まで、内も外も溜め息ものの景色ばかりです。
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印象としては、どこのお店も雑な英語が通じ人当たりも治安も良好、多様でいて小金を持ってそうな通行人の多さから、あたかも一帯全体がテーマパークかのように感じました。

そんなこんなで適当に散策を続けてサンマルコ広場に至れば、水浸しの光景に遭遇してしまいます。
ヴェネチアの晩春の風物詩といえば、季節風による高潮“アクア・アルタ”。現地にとっては建物を傷め交通を阻害する厄介な現象ですが、それはそれ。
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すっかり終わった頃合いかと思っていたのですが、ごくごく小規模なそれが偶然にも発生していたようです。
夕方にはすっかり水が引いていたので、ほんの数時間ばかりの束の間の余韻でしょうか。
青空に水鏡が映えるサンマルコ広場は、まさにARIAの世界のように素敵な光景でした。

他にもこの72時間の滞在、世界中どこにでもあると聞く中華料理屋のエキゾチックな風格から、水路に杭を施工する重機船。
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路地に翻る洗濯物に、救急車ならぬ救急ボート。
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広場でサッカーに興じる現地の子供の賑わいもあれば、閑静な緑の回廊のような光景も。
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夜も素敵に色付いて、絵になる情景。
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毎日、朝から晩まで歩き回っても、一向に飽きないほど素敵な景色に数多遭遇することができました。


素敵な風景巡り以外にも、行き会った先々では、初日にサンマルコ広場周辺の博物館群にてヴェネチア共和国時代から収集された美術品や考古品の見学。
2日目にはガラスで有名なムラーノ島でのガラス博物館の見学に、ヴェネチア各所にパビリオンが設けられた芸術祭“ビエンナーレ”の展示物の見物。
3日目も海軍博物館、ユダヤ博物館、自然史博物館での見学と、種々の見学施設も巡って見るべきものも見て回っています。
特に自然史博物館は足跡化石や先カンブリア紀の古生物の化石、前世紀の探検家の収集した民俗資料から“博物学”が隆盛だった時代の標本類まで。この街が文化芸術的な方向だけでなく、科学的な好奇心まで満たしてくれることを教えてくれる充実の展示軍に出迎えられ、言葉にならない感激がありました。


また余談ながら、宿泊地はヴェネチア本島から離れてリベルタ橋を渡ったイタリア本土のメストレ地区にとってありました。
往復はイタリア国鉄で片道2駅10分ほど。本数も多く、かなり遅い時間まで電車が走っているので気楽なものです。
初日だけ、間違えて一駅手前で降りてしまい……少し焦る羽目になりましたが、それはご愛嬌。
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事前情報として、メストレ地区はヴェネチアとは雰囲気が違うと聞いていましたが、なるほど少し緊迫感のある風景です。
ただ、ホテルは親切で清潔。駅からの道中も見掛けの印象ほど物騒なわけではなく、夜に酔って宿に向かっても問題ありませんでした。
本来的には夜道を1人で歩く時点で、あまり褒められたことではないのかも知れませんが、ずっと祝祭都市にいるよりも返って面白かったのかもしれません。
後から知ったところでは、メストレ駅からメストレ地区の中心市街を経由してヴェネチアへ向かう路面電車もあった様子。ガイドブックにも観光地図にも載ってなかったので見落としてましたが、次があれば乗ってみたいところです。


そういう次第で脈絡なく過ごした3日間。常に移動が前提の私にしては、異例の旅のやり方でしたがヴェネチアですから仕方ありません。
4日目、帰りの日も名残惜しさにメストレから直行のバスではなく、一旦ヴェネチア島に入ってから空港行きのバスに乗車して街を後にします。
後から思えば、ブラーノ島などまだまだ行き足りない箇所も多いのですが、次の機会に繋ぐ希望が残ったと思えば前向きにもなれると言うものでしょう。
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来た道を戻るようにアブダビ経由で成田空港に戻ったのは今週の火曜日のこと。
ちなみに復路は荷物がちゃんと届きました。
その後はたまたま休みが重なったフォロワーの憂月さんと合流し、東京下町でもつ焼きとビールの会。帰国早々に日本的な怠惰を味わいつつ、日常へと復帰することになりました。


旅行が好きになってから、いつかは、そのうちは、と考え続けて10年あまり。多くの行動派の友人に先を越され、ときには「早く行けばいいじゃん」と背中を煽られながら時間が過ぎて、ようやくに念願が叶った3日間でした。
これで一つ、大きな目的地が達成されてしまい、この先暫くは次の目的地選定に頭を痛めそうですが……それ以上に、日常に復帰するのがまず第一の課題です。
大変だ。

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