月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


寒波の秩父散策の話

今冬一番の大寒波が日本を襲ったこの週末。日本中そこかしこで雪が降ったとか、電車が止まったとか、そんなニュースで持ちきりでした。
先週は雪見が半分空振りとなってしまった会津若松も、今週は真っ白になったと言うのですから……因果な話です。

ところが、これまた何の因果か、どこで雪が降ってもなぜか降らなかったのが南関東。
多少の小雪は舞ったようですが、積もる積もらないの次元にはおよそ程遠いまま終わってしまい、ただただ寒いだけ。
如何に気持ちのよい冬晴れと言えども、そんな寒さでは出掛ける気も削がれるというものです。
今週末はお家で大人しくしてましょうか――なんて、問屋はもちろん卸しません。


土曜日の午前中こそ、どうにか寝不足を取り戻すため惰眠を貪って引き篭もりを堅持しましたが、午後には気も変わって千葉方面へふらりとお出かけ。
“総統代行”と幕張のイオンモールで買い出しなどして過ごし、夜には実家に戻り日曜に備えます。
そんな日曜日は、暇を持て余した元寮生の要望が土曜の午前中に入ったせいで、適当な出先を選定して北西に足を伸ばすことになりました。

西武線を乗り継いで、行ってきたのは埼玉の小独立国、秩父盆地です。
西武秩父駅から秩父鉄道に乗り換えて、さらに数駅。荒川沿いに列車に揺られれば、夏には舟下りや渓谷散策で名高い長瀞駅に到着です。

長瀞駅は秩父三社の一つに数えられる宝登山神社の門前駅でもあります。
駅舎もどことなく神社を意識した和風の趣あるデザイン。ここから神社までは真っ直ぐな参道で10分ほどの距離です。
ほんの少しだけ雪の残る凍りついた歩道を歩いて、初詣シーズンの終りを迎えた神社に参拝しました。
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宝登山神社は名前の通り、宝登山を神名備とする古社。大山祇神を祭神とし、秩父神社、三峯神社と並び称される秩父を代表する神社です。
またヤマトタケルノミコトの東征にも縁があり、神使が炎を鎮めたとかで火伏せの神威も持ち合わせているとかなんとか。
社殿も立派に彩られ、風格を強く感じる神社でありました。
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そして、この手の山を祀った神社のお約束、山頂の奥宮も当然あります。
神社のすぐ裏手に位置する宝登山は、程よい標高と眺望から南関東では比較的すぐに名の挙がるハイキングスポットでもあります。
ここまで来たら、登らない手はないでしょう。
登山道は半ば車道と化した非舗装道を2kmちょっとの距離。麓の地図によれば標準的な時間では、片道1時間ほどです。
若干の雪や路面凍結は見られましたが、危険を感じるほどではないので、サクサクと登ってしまいましょう。
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道中にはさほど見るべきものありませんでしたが……雑談しながら、自然の中を歩いていれば相応に楽しいですよね。
頂上には奥宮と社務所を兼ねた売店、茶店があります。
この茶店の前では焚き火が焚かれ、辿り着いた人たちに暖を提供してくれます。
併せて、甘酒やコーヒー、熱燗なんかも販売しているので、つい手が出てしまうのは仕方のないことでしょう。

寒い山頂で焚き火に当たりながら飲んだ熱燗、最高に美味しい一杯でありました。
また、一緒に食べたの“焼きみかん”なるあまり馴染みのない代物です。焚き火の横の七輪で、こんがりと皮を黒く焼かれていたのが、つい気になってしまいました。
茶店のおばちゃん曰く、皮まで食べれるということで、言われるままに丸ごと食べてしまいましたが、思った以上に甘くて美味しく驚きました。
焼くだけの簡単レシピなので、今度は家で試してみても良いかもしれません。

ちなみに本題の奥社は、山を祀った神社の例に漏れず小さな祠と行った風情。安心感がありますね。
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他方、鎮守の森かのような山頂の林を抜けて西側斜面。秩父盆地を見渡す展望台に出れば、正面に武甲山を見据える抜群の眺望が姿を表します。
新緑の春、空の濃い夏、紅葉の秋、きっといつ来ても綺麗なのでしょうが、空気が澄んだ冬も殺風景ながら悪くないものです。

また山頂近傍には蝋梅園も併設されています。名前こそ知っているものの、あまりイメージの湧かない花でしたが、何でも強い芳香を放つ黄色い小さな花だとか。
道中に幟まで立てて開花を宣伝していましたが、実際に登ってみると花開いてる木もあるものの、見頃はもう少し先といった様子。
無いよりマシ程度ではありましたが、それでも年明け一番の花見になりました。
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暫く山頂界隈を散策したら、帰路は凍結路面を恐れてロープウェイで。

下山後は麓の食堂で“おっきりこみうどん”なる上州から秩父にかけての名物料理を食べて一息。
その後、参道途中にあった重要文化財の旧家を見学です。
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秩父の豪農の家だそうですが、厩が一体化してるのが特徴なのだとか。
南部の曲家にも通じる寒い地域の特色なのでしょうか。間仕切りが少なく、寒い割に風通しが良さそうなのが印象的な建物でした。

文化財の見学後は長瀞駅に戻り、秩父鉄道を引き返して西武秩父駅の最寄りお花畑駅まで。
ここで下車して、秩父三社の3つ目、秩父神社を目指します。本当は一駅手前、秩父駅の方が近かったのですが……降りてから気付いたので処置なしですね。
駅から神社までは参道のような真っ直ぐな道が続き、周囲には風格ある建物が続きます。
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古い街なので、町並みに趣があるのは期待通りなのですが……何よりここで驚きなのは、圧倒的な重要文化財指定の建物の多さ。
ある辻など、4つ角のうち3つまで重文なのですから驚かされます。
明治大正から昭和初期のレトロで剛健な都市建築が残り、明治以前の古い町並みともまた一味違った時代の重みを感じさせます。
今回は時間の都合もあったので、神社メインに通り過ぎただけですが、いずれは建築のわかる人と行ってみたくも思います。

そんなこんなで15分ほど街を巡って着いたのが、知恵の神様、八意思兼命を祀る秩父国造の祖神、秩父神社です。
秩父一帯は律令制でこそ武蔵国ですが、古く独立した地域として発展していた土地。その土着の豪族が祭祀し、今も崇敬を集めるのがこの古社です。
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今も街の中心部に鎮座し、12月の夜祭はそれはそれは盛大で華やかなものなのだと言います。
祭りの季節が過ぎ初詣も一段落した今週末でも、流石に終始参拝客がおり、観光地の強さと崇敬の厚さを感じさせました。

秩父神社での参拝も済ませたら、ここから30分ほど南の方、秩父盆地の玄関口の町、横瀬まで歩いて移動。
お出かけの最後は、この横瀬の日帰り温泉、武甲温泉で締めといたしました。
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武甲温泉、初めてきたところでしたが、広々とした露天風呂と庶民的な休憩スペースが居心地の良い穴場。
ビールも飲めますし、駅からも近いと至れり尽くせりです。
入湯料も手頃で、実にいいところを見つけたとご満悦ながらも、帰路の都合もあったので19時過ぎには撤収となったのが惜しいところでありました。


斯様な次第で、存外楽しかった寒波の外出から一転して、じわりじわりと現実に引き戻されて、今に至ります。
来週は何をしましょうか。

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