月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


香港狂騒曲

11月も気付けば半ば。年の瀬も迫り、忘年会の算段が必要な季節ですね。
この時期になると、普段はあまり会わない人と、会う機会ができるのが嬉しいものです。

普段会わないといえば、遠方にいる友人知人も会いにいくのが手間というもの。
その最たるものはやはり海外の相手でしょうか。なかなかどうして、海外まで行くとなると時間も手間もバカになりません。
ところでまだ一ヶ月ほど前ですが、フォロワーのあんこう氏が香港に転勤してしまいました。

まだ一ヶ月……“久しぶりに会う”というには大した期間でもないですが、ちょうど折よく連休が確保できたので、行き先の選定としては申し分がないでしょう。
そんな次第で、ちょっと香港の方に行ってきました。


始まりは金曜の深夜から。飛行機の時間の都合から、始発の高速バスでもチェックインに間に合わないので、前乗りで空港泊です。
関西空港に野宿して以来の外寝ですね。羽田は四六時中飛行機が飛び交い、終夜営業の飲食店等もあるので思ったよりも人がいます。
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展望台にあがって煌めく空港灯や飛行機を眺めていたら、寝床の獲得競争に遅れを取ってしまったのは痛恨事でした。
それでも、夜の羽田がこんなに面白いと知っただけでも儲けものでしょうか。

3時間ばかりの仮眠を取って搭乗手続きと出国審査を済ませたら、朝ごはんを確保して6時半過ぎに離陸していざ南西方面へ。
寝不足が効いて、飛行機内で爆睡して気付いたらもう到着です。未だかつてないほど“マシ”な飛行体験ができました。
香港国際空港に降り立ったら、あんこう氏と合流して市街地行きのバスに乗り込み、大陸側の繁華街がある九龍地区へ向かいます。
道中から既に音に聞こえし高層ビル群が出迎えてくれて、すっかり田舎の景色に毒されている私はワクワクしてきます。
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市街について街路に降り立てば「映画で見たことがある!」と言いたくなる看板群。聞くところによると、近年は随分と控えめになってしまったそうですが、なかなかどうしてエキゾチックな光景です。

九龍地区の中心部、尖沙咀界隈で昼食を摂ったら、対岸の香港島へフェリーで移動。
このフェリー航路は前世紀から運行されている歴史ある航路なのだとかなんとか。
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夜景で名高きビクトリア・ハーバーの摩天楼を望みながら、船はせっせと海を越えて行きます。
今回は香港に行くこと自体が目的だったので、着いてしまえば何をするかも考えてなかったのが正直なところ。
とりあえず定番どころを……と香港島に足を向けたつもりでしたが、フェリーを降り立つと目の前に「海事博物館」なる興味深い文字列が。
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行きますよね、博物館大好きですから。
古代中国の船の歴史から、中世期の東南アジア貿易や鄭和の冒険、近世の西欧人の来航と中華王朝の対応に、香港の発展、最後は現代の海運技術まで、適当に入ったにしては随分と見応えのある展示内容で面白かったです。
気が向いたら行って見るものですね。

海事博物館の見学を終えたら、香港島の中心街を抜けてビクトリア・ピークへ向かうトラム乗り場を目指しました。
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目的は当然、百万ドルの夜景で名高いビクトリア・ピークだったのですが、ピーク・トラムそのものも侮るなかれ。
香港で最初の公共交通機関だそうで、今も古い車両が活躍している古風なケーブルカーなのだとかなんとか。
若干期待して麓側の乗り場まで向かったのですが……そこは油断していた土曜日。
乗り場に着くと、そこはネズミの国のアトラクションもかくやと言わんばかり大行列ぶり。「ちょっと待とう」では聞かなそうな回転の悪さも見て取れて、早々に乗車を見切らざるを得ない有様でありました。

仕方ないので、中心街のバスターミナルまで戻って山頂行きのバスを探し、2階建てバスに揺られて小一時間。
存外に地形の険しい香港一帯、山頂はケーブルカーで行けてしまうほど目前に見えているのですが、バスは裏側まで回って車道をのたくたとアプローチします。
高級住宅街やハイソなホテル(?)を経由しながら、辿り着いたときにはもう夜景がきれいな時間帯になってしまっていました。
噂に違わぬ壮麗さ……多少、ハードな行程になってしまいましたが、納得できる光景でありました。
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ただ、人が押し寄せてごった返している観光地に来てしまったのは、久しぶりの経験。日本の観光地はどこに行っても大概空いてますからね……。
人種問わず、押すな引くなの混雑ぶりにはちょっと辟易としてしまいました。
当然ながら下りのピークトラムも見た瞬間に諦める混雑ぶり。かと言って、またバスに揺られるのも、なかなかハードネス。
乗り物が使えないとなれば、人間やることは一つしかないですよね。何事も足腰で解決が一番です。
ピークトラム開通以前からの古道が、今も現代的に舗装されつつ残っているので、そこを下れば軽い気持ちで市街に戻れる算段です。
案内曰く下って1時間ほど。バスを待って、乗ってることを考えたらほとんど同じくらいですし、景色も良くて一挙両得でありました。
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もっとも、舗装された下り坂など足腰への負荷では最悪な部類。市街に着いた頃にはほとほと歩き疲れた有様で、喉も乾いてビールビールと呻きながら街を練り歩く存在に成り下がってしまいます。
メディアで見慣れたネオン看板の本物を眺めながら、夕飯を食べて飲み屋に行き、やっと一息入れることができました。

ちなみに今回の宿は九龍地区の一角にある雑居摩天楼の一室を使ったゲストハウス。香港ではこの形態の安宿が多いのですが、今回のところは共用スペースから摩天楼が望める立地でした。
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こういう都会的なゴミゴミとしたビルの一室から、雑然とした街並みを見下ろして過ごすの……昔から漠然と憧れていた都会像だったのですが、まさか思わぬ拍子に最高の形態で機会が巡るとは思っても見ませんでした。
向かいのビルにぶら下がる洗濯物や、窓越しに垣間見れるそれぞれの生活に、街路を行く人々、吹き込む秋風、最高でした。


あくる日曜日は朝飯を食べてから、手始めに香港歴史博物館の見学へ。充実の展示ですが、なんと無料です!
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展示内容は名前のごとく……を通り越して、有史以前も以前の地球科学、古生物学な時代から始まります。歴史と言えば……歴史でしょうか、自然史って言葉もありますしね。
その後は史前の人々の生活や百越人の歴史、漢族の入植……と続いて、ようやく我々の思い描く“香港の歴史”、交易都市としての発展やアヘン戦争などの動乱、英国による植民地時代等の展示を経て、香港一帯の文化民俗の展示と至ります。
無料と言いながらも半日はいれそうな充実の展示ぶり。やっぱり博物館は面白いですね。とりあえず行って見るものです。

展示見学を終えたら、その足のまま今度はフェリーターミナルへ移動します。
ここでまた出境手続きをして、ジェットフォイルに乗り込んだ一路向かうは珠江口の西岸、かつてのポルトガル植民地マカオです。
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マカオ到着後早々、バスを間違えて中国本土との国境沿いまで行くハプニングもありましたが、それ以外は万事恙無し。
香港と比べると、より台湾に似てるというのがマカオ市街の最初の印象でした。

マカオというとカジノ都市のイメージがあるのですが、あんこう氏曰く魅惑の娯楽群だけがマカオではないとのこと。
Wikipediaやガイドブックを見ても、なるほど確かに世界遺産となった歴史地区やポルトガル領時代の古い町並みがあったりすると載っています。
そんな話を土曜にしてから、軽い気持ちで来れるのですから、本当に香港とマカオは近いものです。
いくら事実上は内湾と言えど、所詮は広い意味での河口を挟んで向かい側……むしろ川一つ越えるのにジェットフォイルでも1時間かかるのが大陸のスケール感なのかと驚く解釈もできます。

閑話休題。
斯様な次第ですので、私の趣味もあって当然、歴史市街の散策です。
台湾でも見たことある雑然とした鉄格子の据えられた高層住宅から、南欧的なちょっとオシャレなビルまで。多彩な顔を見せる街路を、ニュアンスとグーグルマップを頼りに練り歩きます。
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かつてはイエズス会の東南アジア随一の拠点が置かれたという聖ポール天主堂跡まで来た頃には、すっかり日も傾いた時間になってしまったのが惜しいところです。
それでも、多分歴史地区的な領域の一部を歩いたことになると思いますので、良しとしましょう。
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閉館時間が差し迫っていたので、少し急ぎ足で天主堂横のマカオ博物館を見学して、大砲台跡を見学したら夕暮れのマカオ市街を砲台跡から眺める頃合いになってしまいました。
奥の摩天楼と手前の歴史市街、「遠くが大きく、近くが小さく」あたかも“耳をすませば”のワンシーンのような遠近感の狂う光景は、少し魅入ってしまう魅力があります。
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一転して夜の歴史地区に降りても、どことなく親近感のわく観光地感が居心地の良い雰囲気を醸し出してて楽しいです。
マカオはいずれ、もう少し時間をとってゆっくりと巡りたいかもしれません。
ただ一つだけ難儀したのは、市街の案内表記の大半が繁体字とポルトガル語の併記だったこと。繁体字さえ判れば何とかなると侮っていたのですが……意外と英語の表記も読んでいたのだと、自分の無意識の言語処理を自覚させられる経験になりました。

そんなこんなで帰りは香港島側へ向かうジェットフォイルで夜の海を越えて帰還。
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路面電車とビクトリア・ハーバーを渡るフェリーに乗って、かのもう一つの著名な夜景を眺めながら宿の方へと戻っていきました。


さて、土日を過ごして、月曜は有休。流石にあんこう氏は会社なので帰りは一人で空港を目指します。

平日の朝の街、日本と同じように通勤客が人波を作るなか、流れに逆らって脳天気に下り方向の駅を目指して移動です。
この日はネットが使えないので、頼れるのは街角の案内板と事前に確認した地図の記憶。途中2回ほど迷子になりかけましたが、存分に余裕を持った時間で行動開始したので、無事に目的の時間までには駅に到着です。
活動の中心にしていた尖沙咀一帯から北西の方、何やら開発中と思しき工事群が方々で目についた沿岸の九龍駅です。
駅のショッピングモールで朝ごはんを食べたら、バスより少し割高ですが折角の機会ですから空港行きの高速鉄道に乗って空港へ向かいましょう。
快適な列車の旅は本当に偉大ですね。
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車内ではフリーWi-Fiが使え、駅は清潔でホームドアまで完備。
味気ないと言えば味気ないのですが、土日と慣れない異国で歩き回っていた身としては、ホッとするほど落ち着く空間でした。

そうこうして戻ってきた香港国際空港。お土産を買って、残った現金を日本円に戻したら楽しかった国際都市に別れを告げる時間です。
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帰路の飛行機はちゃんと夜寝て、昼帯のフライトなので眠気は皆無。
席が窓際だったのと、本を多めに持ってきていたお陰で退屈こそ免れたのですが……揺れる狭い機内で4時間近く大人しくしているのはやはり大変ですね。
しかもトイレ行きたさとも戦わなければならないのですから、よりハードというもの。

香港出境直前まで、次はどの国に行こうかとアレコレ思いを巡らせていたはずが、成田に帰った頃には「次は国内かな」と思い直す程には疲れ切ってしまいました。
やはりもう少し若くて無理の効く頃に、こういうLCC旅はしとくべきだったのかもしれませんね。


何はさておき、久しぶりにちゃんと旅行したこの週末。大満足で出勤したら、果たして今月末の長期出張を通達されてしまいました。
旅に出ると休出させられるのでしょうか? 試験諸々もあるので、しばらく遠出は難しそうです。

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