月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


切り立った山に登る話

どうにもこうにも平日の鬱憤が募るばかりの8月末。
会社の寮の仲間とは、口を開けば互いの愚痴ばかりですから良くない兆候です。


それな有様で金曜は夜から寮の飲み会に参加し、いい具合に寝落ちして迎えた土曜日。
久方ぶりにポッカリとまるで予定の空いてしまった週末ですが、とりあえず寮にいても暑いし辛気臭いしですので、ゲリラ豪雨の予報を無視してお出掛けです。
移動しながら行き先に思いを巡らしていると、ふと思い出したのが東京湾フェリーから見える房総側の切り立った様な独特なお山。
確か”カブのイサキ”にも出てきたし、海も見たいし丁度いいなと思い立ったが針路確定です。

京成線を乗り継いで千葉駅から内房線で1時間強。
車窓を眺めれば、青空のもとにもくもくと入道雲があちらこちらに。あの雲の下は土砂降りなのかなと他人事のように思っていたら、列車の進行方向にも黒い雲が……。
案の定、浜金谷駅で下車してみれば外は土砂降りで景色は白く煙った状態。これではお手上げと、通り雨が過ぎるまで暫し駅で待ちぼうけとなりました。

10分ほど駅の待合室でのんびりしていると、見えてきましたお待ちかねの青空です。
空と足元の間に立ち塞がるのが目指す鋸山の稜線です。
IMGP0213_20120902131634.jpg IMGP0228_20120902131634.jpg
当初の予定では特に頑張らずロープウェイで登ってしまおうかと思っていたのですが、観光案内所に立ち寄ったところ、うっかり話の流れから徒歩で登ることに。
そのまま黙ってロープウェイに行っても誰も気にしないのでしょうが、こうなっては足を使って登らざるを得ないと独り意気込んで殆ど丸腰のままアプローチです。

登るルートは車力道と呼ばれる、かつてこの山から切りだされた石を荷車に乗せて降ろしたルート。
今も登山道にそって轍の跡が残る敷石が遺されており、歩きやすいようで微妙に滑りやすい感じです。
IMGP0235_20120902131633.jpg IMGP0238.jpg
木立の合間から見えるのは石を切りだされて、不自然なまでに垂直な断崖絶壁。
ここまで至る頃には湿度の高さにヤラれて顔から汗が滴る暑さ。
飲んでも飲んでも水が足りず、タオルを忘れたので汗で視界が霞み、少々己の準備不足を反省ですが今更引き返せる場所でもありません。
意を決して頂上を目指し、石切り場跡を経由して断崖に刻まれた急な階段を登ります。
IMGP0242.jpg IMGP0244.jpg
階段から振り返れば金谷の集落と東京湾が一望できます。
晴天であればさぞ気持ち良いのでしょうが、ゲリラ豪雨の日もこれはコレで雨の場所が遠目に見えて面白い。

断崖を超えたら稜線にそってもう一声。どうにかこうにか無事に山頂まで到達です。
やっぱり夏の不用意なハイキングはハードでした。
汗もだくだくで足もガクガク、頂上で一息ついて体力の回復を待っていると、蒸し暑かったのが一転して日が陰ってきて風も吹き始めてきました。
IMGP0248.jpg IMGP0250_20120902133415.jpg
そうこうしてる間に汗で濡れた服のせいか肌寒い。そして間もなく雨が降り始めてしまいました。
ゲリラ豪雨の襲撃に、これは敵わないと折り畳み傘を差して木立の中に退避がてら下山開始です。
慌てると足元が滑ると、身を危険を感じながら慎重に来た道を戻るのですが、流石に断崖を抜ける階段には近寄り難いと、手前で足止めとなってしまいました。

結局、雨が止むまで20分ほど手前の広場で、同じように足止めされた登山者と一緒に小休止。
気付けばサァっと雨が止まり、真っ白だった視界が海まで見渡せる様に広がり、行動再開となりました。

絶壁を降りて、石切り場跡を経由して断崖の直下を抜けて移動です。
IMGP0274.jpg IMGP0284_20120902133414.jpg
道中に見る石切り場の跡地は、人工的な地形や打ち捨てられた工作機器が草木に覆われ、さながらラピュタの様な雰囲気。
雨に濡れて人も少ない光景は、確かな文明の跡といった風情がありイイものでありました。

そんなこんなで再び山中の遊歩道に沿って別の階段を断崖の上へと登ると、未だかつて見たこともないような険しいお寺の入口が目の前に。
IMGP0293.jpg IMGP0299.jpg
鋸山一帯を境内地とする古刹、日本寺です。
折角なので参観料を支払って境内へ。入って早々、岩肌を繰り抜いた巨大な観音がお出迎えです。

境内には八百羅漢やら大仏やらと色々と見るべきものが多いのですが、何はさておき私は煙と同じく高台が大好きです。
展望台からの東京湾を堪能。
IMGP0303.jpg IMGP0306.jpg
ちなみに断崖の直上にそのまま柵が設置されているだけなので、ビルの屋上に立っているようなスリリングな感じ。
下を覗くとお寺の入口が見えます。
IMGP0310.jpg IMGP0297.jpg
余談ながら、この展望台の一部は岸壁から突き出したような形をしているので、下から様子を見ると結構イイ感じです。
上に立っていると意外と大きな岩なので気にならないのですが……見方を変えると心許ないですよね。

景色とスリルをちゃんと味わったら、一応はお寺らしく仏様を拝み、鋸山の名所は一通り巡り終わり。
IMGP0336.jpg IMGP0360.jpg
締めこそはちゃんとロープウェイに乗車して、金谷の町に戻ることと致しました。

ちなみにこのロープウェイの山頂側の駅。
IMGP0352.jpg IMGP0359.jpg
切符は硬券を鋏で切り取りですし、2階には食堂と簡便な資料館だったり、置いてあるゲームコーナーの機械が20年近く前のものだったりと、かなりノスタルジックな雰囲気です。
ともすれば、そのまま資料館に出来てしまうのではと思うほど、時間の流れが止まったかのような空間。
ここの屋上もかなり景色が良いので、今度はそこでお酒を飲むためだけに頂上というのもありかもしれないと思ってしまうほどでした。


斯様な次第で鋸山でほぼ丸一日を使ったら、帰路は東京湾フェリーで海路の旅。
潮風を浴びながら沈む夕日を眺め、隣街で友人と夕飯を食べて実家へと至りました。

やっぱり多少、天気に難有りでも挑むときは挑むものだというのがこの日の教訓。
ただし、もう少し山登りの準備はするべきだったかもしれません。
軽い山でも舐めちゃいけませんね……。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | ホーム | 

カレンダー

« | 2017-06 | »
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

中の人について

molmol

Author:molmol
連絡先:aria_freak@ホットメール、mixi


社会的圧力に負けて働き始めた巫女好き提督。2年かけて回復したSAN値を瞬く間に失い、工場街のおんぼろアパートでサバイバルなう。

何かにつけて神頼みする近所のお稲荷様に感謝

個人的リンク

私が勝手に(無断で)貼ったリンクもあります……。 どうか、ご配慮願います。

分類……してないなぁ?

"兵站"内の探し物はこちらへ

月別ログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2Ad