月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


お遣いのお酒をめぐる探検・その2

盛岡で夜を明かした次の日。この日も気持ちのいい天気で、当面の目的地を下北半島の恐山に設定です。

お酒とか、ただの名目。どちらかと言うとこれが本命だったりしてみたり。
盛岡駅にて18きっぷの使えないIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道の高額運賃に絶望し、つい”北海道&東日本パス”を衝動買い。
そのまま朝一の八戸行きに乗車して、いざ出発です。

午後になってこの切符を買ったことが旅行の方針に大きな影響を与えるのですが、それはまた後ほど。
まずは昨日にならって一路、北進です。
IMG_6832.jpg IMG_6862.jpg IMG_6876.jpg IMG_6882.jpg
八戸からJR東北線に復帰し、野辺地で大湊線に乗り換え。
大湊線は、距離はそう長くもないのですが、陸奥湾の海岸沿いを走ったりとなかなかローカル線らしい風情のある沿線が広がる路線。
遠く向こうに常に陸の影が見える海を眺めたり、防護林や瓦のない屋根ばかりの続く集落のような気候、風車など、風の強い気候を思わせるものを見たりしつつ、むつ市の下北駅で下車。

ここでバスに乗り換えです。日に4往復の恐山行きのバスは、始めにむつ市の市街に向かい、その後はずんずんと山の中へ。
バス停を一つ過ぎるごとに、次のバス停の案内とセットで恐山に関する解説をするバスの放送を聴きながら、30分ほど進んで行けばそこがバスの終着点です。


降りたときから、そこはかとなく硫黄の匂いの立ち込める、ちょっと殺風景な土地は携帯も圏外だったりしますが――

――やって参りました、霊場恐山!
IMG_6891.jpg
大雑把に言ってしまえば、火山地帯が作り出す光景が地獄のように見えたのでオカルトスポットになった湖畔の盆地です。
軽い気持ちで観光してると祟られるなんて話もありますが、オカルトが怖くて観光旅行なんてできませんよね。礼を失しない程度に軽くいきましょう。

まずは拝観料を払って荷物を預け、寺院の領域を見学。
IMG_6894.jpg IMG_6896.jpg IMG_6901.jpg
下調べするまでただの霊場だと思ってたのですが、なんでも恐山は恐山菩提寺と呼ばれる寺院の管理する領域なのだとか。
由緒については省きますが、偉い僧侶がお告げに従ってこの霊山を見つけ、地蔵菩薩を本尊に開山した古いお寺だそうです。
お寺については神社以上に良く知らないのですが、話を聞いていると本尊を地蔵菩薩、いわゆるお地蔵さんとしたのは、地蔵菩薩が六道地獄で衆生を救って回るという信仰に関係がある様子。

ちなみに中央の写真で左側が本堂。奥にある門を抜けると右の写真の光景が広がり、奥にあるのは地蔵殿です。
地蔵殿のはずですが、解説には観音とも書いてあり、拝んでみても私には何の仏像なのか解らないので、何ともコメントしづらい代物。

また、右の写真の中央に○○の湯と書いた看板が立ってますが、これはすぐ脇にある温泉を指したもの。
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火山地帯だけに温泉も湧くようで、かつては湯治場としても機能していたのだとか。もちろん、幾つかは今でも無料で入れます。
かなり強力で、あまり長時間入ると湯あたりしてしまうとか。着替えもタオルもないので、手だけつっこんでみましたが、熱々のお湯でした。

さてさて、地蔵堂の左側には、お待ちかねの”地獄”への入り口があります。
IMG_6906.jpg IMG_6908.jpg
ここから先は民間信仰も混じる面白い領域。
箱根の大涌谷に似たイメージを持ってみたところ、実際に草木が生えないのは殆ど窪地となった部分や湯気の出てる斜面くらいで、思ったよりは狭い印象。
ですが、そこは現在でもバッチリ湯気を吐き出す火山地帯。独特の雰囲気があり、霊場に来たんだなと思わせる何かがある感覚です。

看板には順序と書いてありますが、ところどころには安全のための柵や注意が配置されている程度で、見学は概ね自由にできる構造。
もっとも、岩場で出歩きにくいので、自然とルートは絞られています。
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”地獄”としてそれぞれ名前をつけられた火山の噴出孔や、仏像などが点在。
かつてはもっと火山が活動が激しかったらしく、本当に地獄のようだったようですが、今では一部を除いて暖かい湯気が出る程度。
「地獄がぬるくなったのかな?」と言ってみたり。

また右から2番目の写真のお堂みたいな建物は、亡くなった方の遺品が収められる場所なのだとか。
なんで遺品を納めるのかは忘れてしまいましたが、このすぐ後には”死者の霊が天に登っていく山”とされる山があります。
お祭りの日には”お山に魂が帰る”と信仰する地域の方が、ここで故人の思い出に浸ったりするのだとか。
どうした訳か、目に付く山なのにすっぽりと写真の構図から抜け落ちて、全体の写った写真がなかったりしますが……。

さらに余談となりますが、写真ではあまり写ってないものの、恐山の結構あちこちに石がつんであったり、場所によっては風車がさしてあります。
これは、功徳を積む間もなく親より早く死んでしまった幼子が、功徳を積むため賽の河原で自分の背丈より高く石を積む作業をすると言う説話の関係で、その子らの供養のために人々が石を積んで手伝ったものだとか。
もともとは地獄同様に”賽の河原”と設定された区域で積むものでしたが、いつの間にか恐山のあちこちで積まれるのだとか。また風車は幼子の遊び道具に、と言う意味だそうです。
この説話では、夜になると鬼がやってきて積んだ石を崩してしまうので、幼子は成仏できず賽の河原で苦行を続けるのだそうで、その鬼を転ばすためにと草が結ばれていることもあります。
また地蔵菩薩がそういう子を庇うのだという話もあり、供養のための地蔵がおいてあったりもしました。

ところで地獄とついになると言えば極楽天国。
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そう設定されるところも当然ある訳で、湖畔の浜辺がそれにあたります。
極楽浜と呼び名で、目の前の宇曽利湖や山を眺めてホッとするとこなのだとか。
確かに火山帯とは少し距離を置き、他に人が居なくなると耳が痛くなるほどしんと静まり返ってしまいます。
そして浜から見る鏡のように平らな湖面と三角形の山、壮大な雲の組み合わせは神秘的な美しさがあり、つい魅入ってしまいました。
また祭りの頃に(?)この山に故人の名前を大声で叫ぶと、故人の声で返ってくるという言い伝えもあるそうです。
ただ、この湖、それなりに強い酸性で魚は特殊なウグイしかいないのだとか……見た目は綺麗でも容赦ないぜ。

そして、容赦ないといえば極楽浜を抜けると再び”地獄”の群。
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名前からして頼もしかったりします。

そんなこんなで、念願の恐山見学。
のんびりと丹念に見て回ったところ、バスの時間を誤ってまさかの乗り遅れてしまい追加で約3時間のバス待ちする羽目になってしまいました。
なので境内をさらにもう2,3周。温泉こそちょっと面倒だったので入りませんでしたが、隅々まで見て回り、さすがに飽きるくらい堪能することが出来ました。


さて、そんな訳で歩き回って疲れたこともあるので、発車の1時間前にはバスの待合所へ。
待合所には下北半島の観光パンフレットなどが置いてあったので、ここで次の予定を検討です。

青森まで行って泊まるか、下北で泊まるか――と今日の宿に悩みながら、ふと朝に買った切符を見ると「急行はまなすも乗車可能」の文字。
時刻表で調べてみると、青森発札幌行きの夜行列車らしい。これは乗るしかないでしょう! と予定を決めたら、次は宿に泊まらないので代わりに風呂に入る算段。
これはパンフにあった陸奥横浜の温泉を見つけ、時刻表で確認して――と、とんとん拍子に計画は決定して、バスが着たらいざ出発です。
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ところで……待合所で見たバス時刻表、妙に訴え掛けるものがあるのですが……健気やなぁ。


バスで下北駅に戻り、意味もなく終点の大湊まで行ってから折り返しの列車で陸奥横浜駅へ。
旅情を誘う、少し侘しさのある風合の駅舎が魅力的な駅です。
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ちなみにこれ、"CLANNAD AFTER STORY"で終盤に朋也と汐が行った菜の花畑の駅だったりも。ちゃっかり聖地巡礼です。
ただし、ここから向かうのは菜の花畑を目指すのではなく、温泉。
次の列車が来るまでの1時間強で風呂へ行って、近所の道の駅でお土産を買って、駅に戻らなくてはいけません。
地味にあわただしいのですが、だいたい田舎に行くと毎回のように道を間違えて暫く右往左往することになります。
今回も意図せず先に道の駅に出くわしてお土産を購入することになってしまい、その後に地図の道と実際の道の太さの違いに困惑しながら、お風呂を探して入る順序となってしまいました。


風呂からあがったら、夕暮れの時間帯で誰も居なくなった駅に戻って、タオルを乾かしながら列車を待ち、青森へ。
駅近くの食堂で夕飯を食べて、入線の30分前にははまなす待ちの列に加わって待機。
IMG_7034.jpg IMG_7040.jpg
定刻通りに入線した列車に乗車。
出発間際には自由席がほとんど満席になってるほど混雑していたことに驚きましたが、北海道初上陸へ向けて初めての客車列車で発進となりました。


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