月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


春霞の琉球散策

先日の休日出勤の代価に振替休日を獲得した今週の月曜日。
降って湧いた3連休を有効活用するべく、久しぶりに遠くへ出掛けることにしました。

当初は一昨年に行き損ねた香港のあんこう邸を考えていたのですが、春節とシーズンが被ってしまい予算内では航空券が取れないことが判明してしまいます。
みかん氏を訪ねてソウル、あるいは中国沿岸か、国内か……と代替の目的地を検討した結果、手持ちのANAマイルで飛べる最遠方として沖縄那覇が候補に急浮上です。
この時期の沖縄は観光の閑散期とあってマイルが割安。気候も穏やかで人も少なく、海遊びをしないなら十二分に楽しめる穴場シーズンなのだとか。
これはうってつけの目的地を見つけたと、航空券と宿の手配を済ませたら、あとは当日を待つばかりです。


そういう次第で土曜日は朝から羽田空港に移動し、10時半頃の便で那覇へ向けて飛び立ちます。
少々の遅延と着陸後の諸々で、空港を出て日本最西端の駅、ゆいレールの那覇空港駅に辿り着いたのは14時過ぎくらいになりました。
2018_02@沖縄007 2018_02@沖縄012
ここから那覇市街までは、初めて乗るゆいレールで移動です。
乗る直前まで全く知らなかったのですが、ゆいレールでは通常の乗車券も券面に印字されたQRコードを改札機に読ませるシステムになっています。
磁気式でもICカードでもない初めて見るシステムですが、切符自体は一見すると普通の磁気式と変わりありません。
恥ずかしながら最初の改札では仕組みに気付くまで少し時間がかかってしまい……初っ端からちょっと躓きですね。

閑話休題。
無事にモノレールに乗り込み市中心部の県庁前駅で下車したら、駅から海の方を目指して歩くこと15分ほど。
この日の最初の目的地は琉球八社の一つにして琉球国新一宮である波上宮という神社です。
2018_02@沖縄022 2018_02@沖縄026
琉球八社とは、その起源は判然としないながらも、明治期に国家神道が定められる以前から琉球王国内に存在した、主な神社八社を総称した呼び名だそうです。
いずれも本来はその主体となるお寺があるそうですが、現状に到る経緯は複雑で今一つよくわからないのが正直なところ。
ただ少なくとも相応の由緒のある神社だそうで、特に波上宮はその規模や連続性から沖縄で唯一の官社として扱われた格式を誇ります。
社殿は海に面した低い丘の上に建つ沖縄風の立派なもの。今でこそ周囲も埋め立てられていますが、昔はより海に突き出したような地形だったそうです。名前の通り波の上のお宮と言った風情だったのでしょう。
沖縄の神社などマニアックな場所かと思っていたのですが、那覇市街に最も近いビーチも近くにあってか、ひっきりなしに観光客が参拝していく賑わいぶり。落ち着いて写真が取れないのは少し残念でしたが、無事に御朱印を頂戴することもできました。

波上宮の参拝後は昼食を摂りに寄り道などしつつ再び県庁前駅に戻り、駅前の商業ビル内にある那覇市歴史博物館へ。
この歴史博物館、ごく普通のテナントビルの4階に立地しており、同じフロアには普通のお店もテナントとして入っています。
観光客然とした格好で一般のエリアを通り抜けるのは多少気恥ずかしいところもありました。
それでも、展示面積的にも内容にもあまり期待してなかったはずが、侮るなかれです。
2018_02@沖縄062 2018_02@沖縄061
戦前の那覇市街を復元したミニチュア以外全て撮影禁止でしたが、数多の伝統的な織物の図案やその技法、代表的な衣服が展示されており、来た甲斐のある興味深い内容でした。


博物館の見学を終えたら、既にお酒を飲み始めてもいい頃合い。気温も関東基準では4月の下旬頃といった暑くもなく寒くもない程よいぬるさ。
外で飲めるお店を求めて国際通りに繰り出せば、少し入った路地ですぐに立呑屋さんを発見です。
2018_02@沖縄067 2018_02@沖縄071
オリオンビールを飲み始めたら、もう何も言うことはありません。
1000円でおつまみ1品と任意のアルコール3杯のセット。ビールと泡盛2杯で気持ちよく出来上がるのに、時間はほとんどかかりませんでした。


斯様な次第でほろ酔い気分にながらも、このまま夜を終えるにはまだ早い気分な18時過ぎ。
少しネットで調べると、波上宮へ向かう道中にあった福州園なる中国庭園で二胡の演奏会があるのだとか。庭園自体は歴史的な背景があるものでもなく、さほど興味も無かったのですが二胡の生演奏はちょっと聴いてみたい気分です。
さらに言えば庭園もライトアップされているとかで、写真を撮るにはいいかも知れないと思い立ち、行ってみることにしました。
2018_02@沖縄088 2018_02@沖縄093
何事も思い立ったが吉日ですね。ライトアップされた庭園はなかなか乙な雰囲気があります。
肝心要の二胡の演奏については……巧拙こそよくわかりませんが、酔い醒ましに夜風を浴びながら聴く音楽の気持ち良さだけで十分でしょう。
2018_02@沖縄115 2018_02@沖縄123
演奏を聴いて、その後にふらりと庭園を一周。あまり綺麗に撮れなかったのが心残りではありますが、面倒だと思わずに来た価値はありました。

酔いも醒めて気持ちよくなったところで、再び国際通りの裏通りまで舞い戻り、もう一軒。
地図で見れば無駄に数km歩いているのですが、そこはご愛嬌です。
次に見つけたお店も1000円で3杯飲めるお店ですが、面白店主に絡まれて盛り上がり調子に乗って3杯以上飲んでしまいました。
何故か他のお客さんのお土産という"千葉県産"落花生を貰ったりしながら、今度こそいい時間まで飲み語り、気持ちよくこの日の宿へと辿り着きました


日曜日は朝早めに起床してレンタカーを調達し、ドライブに向かう日。

本島を南北に繋ぐいくつかの国道を北上し、手始めに本島中部、宜野湾市の普天満宮へ向かいます。
普天満宮も前日の波上宮と同じく琉球八社の一つ。往古、後背の洞窟に神々を祀ったのが始まりと伝わる古社だそうです。
2018_02@沖縄143b2018_02@沖縄144
Wikipediaによれば、波上宮と並んで琉球処分後にあっても信仰と勢力を維持した数少ない神社なのだとかなんとか。
朝早すぎたために洞窟の見学はできませんでしたが、御朱印は無事に頂戴できました。
素朴な雰囲気の社は日本と変わらないように感じます。


普天満宮の次は車で15分ほどの距離にある中村家住宅を見学。こちらは国の重要文化財に指定されています。
王国時代の家屋の形態を今に残す貴重な建物なのだとか。
2018_02@沖縄153 2018_02@沖縄160
受付から風避けの石垣を抜ければ、赤瓦の上にシーサーを頂いたまさに沖縄といった古民家が出迎えてくれます。
内部も見学することができるのですが、夏を考慮した風通しの良い造りは爽快そのものです。
前日に続く初夏の陽気と程よく通り抜ける温い風、観光客の少ない静けさも合わさって、いつまでも寛いでいられそうな穏やかな時間を満喫できました。
2018_02@沖縄175 2018_02@沖縄193
ちなみに案内板曰く、このような赤瓦作りは王国時代には士族だけのものだったのだとか。そのため、庶民にも普及したのは明治以降のことだそうです。
この建物も建造は王国時代ですが、瓦葺きについては明治以降の造作だとか。沖縄といえば赤瓦に白漆喰のイメージでしたが……意外と知らないものですね。
また、帰路には売店でお茶と茶菓子のサービスもあります。運転と見学の後にホッと一息できますね。


中村家住宅の主"中村家"は案内書に曰く、遡るとかつて中城城に護佐丸という武将(官人)が入城した際に、付き従って移り住んだ家柄なのだとか。
その中城城の城址は中村家住宅から車で5分ほどの距離。今やグスク群の一つとして世界遺産にも登録されています。
本来、行き先候補には挙がってなかったのですが、それほど近くにあるのなら寄らない手はないでしょう。
世界遺産だけあって、駐車場も広く行けばすぐに分かるのがありがたいところです。広大な城内は発掘調査と並行して遺構が修復され、公園として整備されつつある印象です。
2018_02@沖縄236 2018_02@沖縄244
このお城は幕末期、黒船来航のペリー提督も訪問して、その石積みの流麗さを賞賛したのだとか。海を見下ろす丘の上、尾根に沿って広がる見るからに堅牢な城壁は、確かに見事でありました。
一方で南国らしく植物の方もその成長の勢いは盛んです。整備の間に合ってない場所では城壁を歪めて木の根が張り巡らされる様も見受けられ、これはまたこれでロマンあふれる光景でありました。


中城城跡の見学を終えたら、ここからは一気に国道を北上して本島北部の本部半島を目指します。
道中、不意の集中豪雨に見舞われてヒヤリとする場面もありましたが、どうにか辿り着いたのは本部半島の海洋博公園にある水族館、かの有名な美ら海水族館です。
以前から、沖縄に行くなら外せないと考えていましたが、ようやく念願かなって機会が巡ってきた次第です。
2018_02@沖縄264 2018_02@沖縄303
道草のし過ぎで水族館着は昼過ぎの一番混雑しそうな時間帯。加えて日曜ということもあり、まともに見て回れない水槽もある程の混雑具合です。
それでも、一番肝心な巨大水槽とジンベイザメの遊泳は遠目に見ても圧巻の迫力です。
この他、琉球海溝近隣を題材にした深海コーナーではカイロウドウケツやコトクラゲなど初めて見る生き物も見ることができました。
2018_02@沖縄326 2018_02@沖縄330
特にカイロウドウケツは、その精緻な構造を話には聞いていたものの、実物を見るのは初めてのこと。ライトに照らされた白磁の網目は見事というより他にありませんでした。

またこの海洋博公園、名前の通りかつて開催された"海洋博覧会"の名残として整備された公園です。
そのため水族館以外にも植物園や古民家園など、園内には文化施設が点在しています。
2018_02@沖縄370 2018_02@沖縄386
特に古民家園は琉球諸島の様々な階層や地域の民家を復元しており、先に訪れた中村家住宅と同じように興味をそそります。
赤瓦の普及前の茅葺屋根と竹壁の家などは、沖縄というよりもっと南の異国の島を思わせる風情があり、沖縄の文化の奥深さを
感じることができました。

また海洋文化館は太平洋地域のカヌーを中心に、種々の文物が展示されていて、こちらも面白い。
2018_02@沖縄395 2018_02@沖縄404
テーマが地味なせいか人も少なく穴場といった風情でしたが、スターナビゲーションに用いる木製の海図や、カヌーの実物に、建造する道具類まで置いてあります。
他ではそうそうお目にかかれない代物が目白押しであり、思った以上に長時間滞在してしまう程でした。


文化館の見学を終えて、時間を確認すれば既に16時をゆうに過ぎている状況。海洋博公園でだいぶ長居をしてしまいました。
レンタカーの返却の都合もあるので、帰路は寄り道せずに高速道路を使って一気に那覇市街へ帰還です。
車を返したら、この日も国際通りの裏通りへ繰り出して泡盛を堪能しつつ、残りの夜を過ごすことにしましょう。
前日が安居酒屋巡りだったのに対して、この日は観光客然とした名物料理の多い居酒屋へ。
一軒目ではラフテーやチャンプルーなど「沖縄っぽい」ものを食べて過ごし、二軒目には島唄の生演奏があるお店でのんびりしながら寝る時間を迎えることとなりました。


振休で休みとなった月曜日、沖縄最終日はゆいレールに乗って朝一番に首里城へ向かいます。
2018_02@沖縄446 2018_02@沖縄466
首里城は言わずと知れた琉球王国の首府。復元された各施設は世界遺産にも指定されています。
高校の修学旅行で訪れた頃には、既に復元を終えていたはずなのですが、当時は都合もあって訪れないまま帰ってしまい、ここを見学するのは初めてです。
朱塗りの派手な正殿を朝一番の空いているタイミングで眺めることができたのは、何よりの幸運でしょう。

首里城を見学したら、そのすぐ裏手にある瑞泉酒造も見学。戦前から泡盛の醸造を手がける歴史あるメーカーです。
2018_02@沖縄511 2018_02@沖縄515
一通りの行程を映像で視聴し、実際の機材を拝見して……朝から試飲コーナー! 出来立ての新酒から、熟成された古酒、加水する前の原酒まで味見することができます。
特に泡盛の原酒はアルコール53度となかなかに強烈なお酒。法律上「泡盛」とは表記できないため、品名が「原料用アルコール」となっているのもまた強烈でありました。

また首里城の南側の斜面には、金城町の石畳と呼ばれる古風な街路が伸びています。王国時代の地割の面影を残す趣深い区画です。
2018_02@沖縄547 2018_02@沖縄549
折角なので朝食もそんな路地の喫茶店でいただきます。
那覇市街を一望する木陰のテラスで飲むコーヒーは、優雅というより他にないシチュエーション。普段の柄ではない、陽気にやられてたまには洒落込んでみたくなってしまいました。

朝食後は坂を下るようにふらりふらりと街路をお散歩。
2018_02@沖縄556 2018_02@沖縄593
ノスタルジックな光景に誘われるまま巡っているうち、首里城まで戻るのも億劫なところまで彷徨い込んでしまいます。
仕方ないので、Google地図を頼りにゆいレールのおもろまち駅まで二駅分ほど歩いてしまいました。


おもろまち駅からは再びゆいレールで県庁前駅まで戻り、今度はここからバスに揺られて少し南の郊外、小禄地区へ。
飛行機の時間もあるので、最後に訪れることにしたのは那覇市街を見渡せる丘にある旧海軍司令部壕と呼ばれる施設です。
2018_02@沖縄615 2018_02@沖縄616
沖縄戦の際、沖縄に残置された海軍の陸上兵力は、陸軍と連携しこの小禄一帯に陣地を構えて立て篭りました。
司令部壕はその名の通り、司令部が設置され、そして最後には玉砕を迎えた地下壕です。
遺構は現在も公園として整備保存され、地下壕としては珍しく内部を見学することが可能です。
2018_02@沖縄639 2018_02@沖縄651
通路や通信室、司令官室など……広大な地下壕は全てではないものの、かなりの範囲を見学可能です。
生存者の証言に基づいたイラスト付きの解説板も置かれ、狭く暗い壕の中では過ごした苦難の日々に思いを馳せることができるようになっています。
沖縄戦の戦争遺構としては比較的マイナーな部類な気もしますが、実物を見て初めてわかる距離感や雰囲気もあり、歴史を学ぶ良い機会となりました。

見学後は売店の方の案内のお陰でタイミングよくバスに乗ることができ、そのままゆいレールに乗り継いで空港方面へ。
2泊3日の沖縄旅もお終いです。
最後にお土産を買い込んで、羽田行きの便で関東へと帰ることになりました。


全体的に天気に恵まれなかった沖縄旅行。去年の晴男ぶりの反動でしょうか。
それでも致命的な悪天候には遭遇せず、むしろのんびりと歩き回ることができたのは良かったといえるかもしれません。

しかし、これで去年貯め込んだANAのマイルはほぼ全放出の状態。安易に飛行機に乗るのはもう難しいので、しばらくは遠出はできないかもしれません。
暖かくなってきましたし、ハイキングとかキャンプとか、そちら方面に注力したいですね。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | ホーム | 

カレンダー

« | 2018-04 | »
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

中の人について

molmol

Author:molmol
連絡先:aria_freak@ホットメール、mixi


社会的圧力に負けて働き始めた巫女好き提督。2年かけて回復したSAN値を瞬く間に失い、工場街のおんぼろアパートでサバイバルなう。

何かにつけて神頼みする近所のお稲荷様に感謝

個人的リンク

私が勝手に(無断で)貼ったリンクもあります……。 どうか、ご配慮願います。

分類……してないなぁ?

"兵站"内の探し物はこちらへ

月別ログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2Ad