月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


秋の関西巡り

週末の北日本ではついに市街で雪が降り積もったといい、気付けばカレンダーも後数日で12月に。
いよいよもって実感を伴った冬が迫る今日このごろ。

先の週末は勤労感謝の日から有休を繋いで4連休の生成に成功。
折よく大津で飲み会をする誘いもあったので、秋の残り香を追い求めるため、関西まで紅葉見物に行きました。


もっとも、勤労感謝の日の西進は静岡の親の実家まで。
例年の如く、庭木を伐採して薪の製造に勤しみながら過ごし、夜はタダ酒を嗜んで終わりです。

本格的に西へ向かったのは明けて金曜日のこと。
米原乗り換えで能登川駅からフォロワーのぼややん氏と合流。先立って約束してたカメラのレンズの受け渡しを行い、そのまま彼の車でふらりと湖東ドライブへ出発です。

はじめに向かったのは八日市の近くに鎮座する太郎坊宮こと阿賀神社です。
社殿のある赤神山は琵琶湖周辺でいくつも見かける平野から唐突に盛り上がった山。その山が山岳信仰の霊地として栄えたのが始まりだそうで、名前のごとく本来は仏教系の寺院だったのだとか。
由緒書きには、いつから神社になったのか書かれていませんが、想像は難しくない気がします。
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紅葉の名所としても名高いそうで、斜面をひたすら登るような参道は確かに見事に色づいていました。
また紅葉もさることながら、本殿の立地もなかなかに趣ある代物。
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屹立する2つの大岩の隙間を抜けるように参道を進むと、斜面に張り付くように本殿が建てられています。
頂上でもなければ、特段に何かを遥拝するでもない……身も蓋もない言い方をすれば、中途半端な印象を受ける少し不思議な立地です。
何かの由緒があるのかも知れませんが、むしろ印象深く趣のある神社でありました。

太郎坊宮に続いて向かったのは、車で10分ほどの教林坊なるお寺。
安土桃山時代の庭園が遺り、近江近隣では紅葉の名所として名高い古刹なのだとか。
曰く10年ほど前に無住で廃寺同然となっていたお寺を若いお坊さんが再興し、名園として参観できるようになったのだとか。
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ちょうど見頃を迎えて、見事に色づいた木々と緑の苔の対比、加えて落ち葉の絨毯が古風な建物を彩り、風情ある雰囲気を醸し出していました。
見事な庭園だけに、湖東の観光地としては観光客も多めの印象でしたが、それでも京都の社寺に比べれば遥かに閑静でゆったり回れる空間でもあります。
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写真を撮りながらゆったりと庭園を一巡して、今年の紅葉を心ゆくまで満喫することができました。

教林坊の帰路には奥石神社にも参拝です。奥石と書いて“おいそ”と読み、周辺の地名も老蘇と書いて同じく“おいそ”と読むそうです。
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由緒書に曰く式内社であり本殿は国の重文でもあるのだとか。
間が悪く神職さんがいなかったため、御朱印こそ貰い損ねてしまいましたが、平野を広々と使った落ち着いた雰囲気の境内を満喫です。
いずれ機会を見て再来しようと心に決めつつ、この日はお社を後にすることにしました。


この日は奥石神社の参拝後にぼややん氏と別れて、京都に向かい別のフォロワーさんの大鳥氏と合流して夜の先斗町界隈で一杯。
レモンサワーが名物のお店で一杯キメてから、ふらりと夜の京都を巡って1日の終りを迎えました。


翌朝、京都は河原町のネカフェで目覚めた土曜日は一転して、ひたすら京都の御朱印を集めながら、約束の飲み会へと向かう予定で行動開始です。

1社目は河原町からほど近い京都大神宮なる“京のお伊勢さん”です。
東京大神宮と並んで明治期に伊勢神宮を分祀して創建された比較的新しい神社。神前結婚式の儀式次第を取り決めたりと、一時は隆盛を誇ったようですが、今では街角の小さな神社と言うのが正直な印象です。
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しかしながらこの神社、可愛い巫女さんグッズが一部で非常に有名だったりそうでもなかったりします。
今回の参拝も不純ながら目的の半分は、そこにあったりなかったり……御朱印と一緒にキーホルダーも購入して、京都散歩のはじめとしました。

続いて行ったのは京都大神宮から南へしばらく歩いた京都市学校歴史博物館。
京都は全国に先駆けて学区制の小学校制度を整備した歴史を誇ります。
現在、博物館となっている建物も、その伝統を引き継いで平成初期まで存続した小学校の建屋を流用しているのだそうです。
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内部は残念ながら撮影禁止でしたが、全国的な学制以前の学校システムについての解説や、往時の教科書のレプリカなど、興味深い展示が数多く並びおもしろい博物館でありました。

学校博物館からさらに南下すれば、続いては市比売神社に行き当たります。
こちらは京都の市場の守護、及び何故か転じて女人守護のご利益で知られる平安遷都時に創建された神社です。
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こちらも境内がビルに覆われ、街角の小さな神社を通り越して街角のビルの中の神社といった風情。近代的な印象で、シレッと1000年以上の歴史を誇るのですから、古都は本当に凄いです。

市比売神社からは進路を東に転じて、豊臣秀吉を祀った豊国神社へ。
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伏見桃山時代の名建築や宝物が遺る壮麗な神社ですが、歴史的には大阪の陣の後、参道を閉鎖され重要な神物は近隣の寺社に分割されてしまっていたのを、明治期に再興した苦難の社なのだとか。
宝物はともかくも、積極的な破却はされなかったと言え数百年に渡って放置された建築が原型をとどめていたのか些か疑問ですが……そこを素人考えで勘ぐるのは野暮というものでしょう。
立派な唐門が特に目麗しい神社でありました。

ちなみに豊国神社のすぐ裏手には京都国立博物館があります。
目の前を通り掛かったところ特別展を開催中であり、ちょうど良いとばかりに入館してみたのが運の尽きでしょうか。
秋の連休の特別展、入館までの待ち時間が30分という時点で気付くべきでした……。
館内も信じ難いほどの混雑ぶり。落ち着いて鑑賞するしない以前に、展示品に近づくのも一苦労の有様です。
混んでる博物館なぞ、好き好んで行くべき場所ではないと、以前から知っている教訓を再確認する羽目になってしまいました。

閑話休題。とんだ目にあった京都国立博物館を抜けたら、さらに進路を東にとって京女大に隣接する新日吉神宮に続いて参拝です。
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御所の鎮護として、後白河法皇の時代に山向こうの近江から勧請されたため、“いま”日吉神宮という名になったとのこと。
神使が猿であったり“吉”の字が通じたりすることから、江戸期には内密に豊国神社の神を祀っていたとも伝えられています。
今も新日吉神宮の先へ進めば秀吉の霊廟がある山へと通じているそうです。

御朱印と神社巡りが主題ですので、流石に山頂の霊廟まで行っている余裕はありません。荷物も重いですしね。
再び進路を南へと転じて、東山の南部から今熊野と呼ばれる界隈を縦断します。
平安期には京都の外れに位置し葬送の地であったと伝わる一帯。1000年以上の時を経てすっかり住宅街となり、人々が息づく細い路地が入り組んだ今でも、京都中心部や東山の華やかさとは違った雰囲気を湛えています。
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そんな界隈では劔神社と新熊野神社の2社に参拝し、御朱印を頂きます。
劔神社は地中より得た神剣を祀ったのが始まりとされる神社なのだとか。一説には古に葬られたまま忘れ去られた墳墓の副葬品ではないかとも言うそうですが、真相は掘り返された土と一緒に散り散りでしょう。
曲がりくねった路地の一画にある“地方都市の住宅街の神社”といった雰囲気でありました。
新熊野神社の方はかつて熊野方面へ向かうための街道脇にあったと伝えられ、新日吉神宮と同じく後白河法皇の時代に創建されたと伝わっています。
紀伊の熊野神社から土や神木を京都の近くに遷し、“新”しい熊野神社としたのが始まりだそうで、今も本殿の裏手には熊野古道を模した祠やオブジェの並ぶ小道が整備されていました。

最後に立ち寄ったのは新熊野神社から南に下り、東福寺駅のすぐ北側というべき位置に鎮座する瀧尾神社です。
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創建以来、歴史に翻弄されて所在を転々とし、鎮守の森も失われ、拝殿に彫られた立派な木製の龍が神威を誇示する町中の神社です。
江戸時代、百貨店の大丸の創始者が深く信仰していたとかで、社殿も創業一族の寄進した江戸後期の逸品が現存しています。
絵馬殿にも大丸の寄贈した絵馬が多数遺されており、大丸ビルの写真から今にも消えそうながら江戸期の大丸の様子を偲ぶ絵画まで、何でもない街角に歴史の深みを垣間見ることができました。


瀧尾神社に続いて、折角近場まで来たのですから東福寺にも行ってみようかと足を向けたところ、途中の東福寺駅前から信じ難いほどの人波が姿を露わにしてきました。
冷静に考えれば紅葉シーズンに京都の庭園のあるお寺など、無謀以外の何物でもないでしょう。
圧倒的な人の流れを見た瞬間に考えを翻し、そのまま京都駅方面の列車に乗り込み、京都タワーでお風呂に入って約束の地へと向かうことにしました。

約束の地とは、大津市に所在するフォロワーさんの自宅のこと。ここ数年の恒例行事となっているイカを食す会に参加してきた次第です。
例年のごとく、様々な……普段はしないような話をしながら、しこたまお酒を飲んで気付いたら寝落ちする夜を過ごすことになりました。


連休最終日の日曜日は、午前中をフォロワーの家で過ごして、午後からゆるりと行動開始。
大津駅に荷物を預けて、市街地をぐるりと散策です。

手始めは駅からほど近い位置に所在する近江の四ノ宮、天孫神社に参拝です。
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天孫神社は滋賀県内では規模の大きい大津祭の中心となる神社なのだとか。御朱印を貰った際にも、来年(!)の大津祭のチラシを一緒に頂戴したのは、少し印象的でした。

天孫神社から旧東海道を辿るように西へ歩いていくと、途中では路面を普通(に見える)電車が走ることで有名な京阪電車と遭遇します。
何度か乗ってはいるのですが、見る側に回るとなかなかインパクトのある光景です。
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さらにしばらく歩けば東海道は山越えの峠に挑むために、北国街道と合流して進路を南に転じます。
街道筋を無視して、もう少しだけ西へ行けば長等神社に到着です。
大津に都が置かれた頃に創建されたとされる古社であり、紅葉が映える静かで落ち着いた神社です。
手入れも行き届いて境内の規模も大きく、疑いなく神職さんの居そうな様子だったのですが、この日は残念ながら不在な模様。どこかで別の祭祀をしているのかもしれないと諦めて、次へと向かいました。

三尾神社は長等神社のすぐ北側、琵琶湖疏水の入り口近くに鎮座する兎に縁のある神社です。
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なぜ兎に縁があるのかは、話が煩雑に過ぎて今ひとつわからないのですが、広々とした境内を参拝できれば十分でしょう。

最後に寄ったのは三井寺なる古刹。天台宗の有力寺院であったそうですが、主に比叡山延暦寺との対立により、由緒書きをして“幾度も焼かれた”と自ら書くほど度重なる戦火で堂宇を消失しているお寺です。
一周回って、何度でも炎の中から蘇るためか「不死鳥の寺」と称しているのですから、流石と言わざるをえないでしょう。
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琵琶湖を見下ろす斜面に位置し、少し高台にあるためか紅葉の盛期は過ぎていましたが、壮麗な境内は一見の価値のある代物です。
比叡山側の弁慶が強奪して捨てたと伝わるボロボロの鐘や、置き土産の鉄鍋、おみやげ店では1/150スケールの本堂ペーパークラフトを売っていたりと、面白いところもそこかしこに転がっていて良いお寺です。
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名物は弁慶の力餅なるきな粉団子。甘みが強く美味しかったのですが、狼藉を働いた方の名前を冠して良いのだろうか……そんな疑念も頭を過る逸品でした。

三井寺を満喫したら、時間もいい頃合いだったので関東へ帰ることになります。
京都駅に戻ってみればそこにあったのは予想を超える大混雑。新幹線も自由席は積み残しが発生するほどの満員ぶりで、己の読みの甘さに呆然とするしかありません。
結局、京都から新横浜まで立ったまま乗車して、随分と疲れて部屋へと帰ることになってしまいました。


そんなこんなの4連休を終えて、再びフル出勤の平日が始まります。
今週はもしかしたら1月以来の出張も旅行もない平日の予定です。久しぶりにちゃんと自炊ができると喜び勇んで、野菜や肉を買い込んでしまいました。
しばらくは遠出の予定もないので、落ち着いて過ごすことができるはずですね、多分。

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