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月曜備忘録

東奔西走したり、近場をさまよったり、お家でぐったりしたり……週末の所業や所感を記録する場所(旧名:兵站の鬼を目指して……)


映画の週末

西日本では梅雨としても異例な大雨が降っているという6月末、7月頭。
関東地方も降ったり止んだりの、今一つすっきりしない空模様でしたが、身動きもできないほどの雨には見舞われなかっただけ、幸運といえましょうか。
目立った災害の無いことを祈りつつも、まずは何より自分の休日を楽しまなくてはなりません。

そんな今週末は金曜日から有休を取りつつも、珍しく遠くへは行かない運用です。
代わりに映画を2本ほど観つつ、のんびりと過ごすことになりました。


大きな理由はないままに有休を獲得した金曜日、朝もゆっくりと出社時間を過ぎてから起床です。

実のところ、夕方まで特に何する予定もない訳ですが、流石に何もしないのも癪な気持ちになりますね。
ひとまずは、千葉市街の加曽利貝塚遺跡へ行ってみることにしました。

加曽利貝塚は国内でも有数の縄文時代の遺跡です。
周辺一帯は公園として整備され、博物館も併設されています。
展示に曰く、東京湾から小さな川を遡った丘陵地帯に位置し、貝塚や住居跡が多数発掘されているのだとか。
およそ2000年の長きに渡って人が住んでいたのだそうです。
周辺にも小規模な貝塚や遺跡が無数に発掘されており、その中心的な集落であった可能性も指摘されているのだとか。
また、そんな周辺も含めた遺跡の規模の盛衰から、近隣における人口の増減も推定できるのだそうです。
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公園内には博物館の他にも、貝塚の断面をほぼそのままの位置で展示した、往時としては最先端の展示なども観ることができます。
貝のみならず、動物の骨や焚き火の痕跡など、同じ場所で連綿と人が暮らしていたことを示す痕跡が続き、貝の種類の変遷を眺めているだけでもなかなかに興味深いです。
復元住居も、検出位置とほぼ同じ位置に再現されており、柱の位置などはほぼ正確に建っているのだとか。
流石に屋根以上の構造物については痕跡がないため、推定の形態になってしまうそうですが……入ってみればなかなかに居心地よい空間でした。
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また、横を見やれば現在進行系で発掘中の区画も当然あります。
公園として整備されていると言っても、全域を残さず掘り返しているわけでないのは自明でしょう。
地道に区画を区切って、気長に調査が続いていくそうです。


遺跡見物の後は、一挙に居場所を新宿へ移して、映画「プロメア」を鑑賞です。
「グレンラガン」や「キルラキル」のスタッフによる新作アニメ映画。既にあらすじも感想もネットの海で語り尽くされておりますし、敢えて何か言うことも無いですが、観に行って間違いではない映画でした。
何が凄いとか、面白いとか……言葉にするのは難しいのですが……何を言ってるのかわからないけど、気付いたら満足して観終わっていたと言ったところでしょう。

そんな映画鑑賞から続いては、秋葉原でレンズを買ったら、上野で待機です。

この日の相手は久々にフォロワーのアッシー氏とアリソン氏です。
この約束のために、有給をとったと言っても過言ではないでしょう。
先にアッシー氏と合流して、上野の繁華街でたらたらと飲みながら、アリソンを待ちます。
水瀬いのりのライブに参加していたというアリソンを21時過ぎに迎えたら、終電など潔く投げ捨てて夜更けまでだらだらと飲み続けます。
なんだかんだと会う機会は多くないものの、不思議と10年来の付き合いになる彼ら。
不思議と気負いしないまま、一緒に過ごすことができました。
そんな訳で、最後は豪気にホテルに宿泊して、気付けば土曜の朝の知らない天井です。そんな日もありますよね。


一夜明けた土曜日は、一度、実家に帰りつつも小休止を挟んで再びお出掛けへ。
この日向かったのは、比較的ご近所の立川です。
この日の目的も映画にあったのですが、予定の時間までは少々余裕があったので、近隣の神社を巡ることにいたします。

1社目は駅の南側にある立川諏訪神社。立川一帯に1200年前に諏訪から勧請されたと伝わる近隣では有数の古社です。
市街地の神社の宿命とあってか、きれいに整備され重厚で荘厳とは言い難い開放感がありましたが……参拝客も後を絶たず、まさに都市部の神社といった風情がありました。

2社目は駅の北側、旧立川飛行場の近くの住宅街に佇む立川熊野神社です。
こちらは江戸時代に分祀されたと伝わる、まさに“村の氏神様”といった立ち位置の神社です。
境内の規模も小さく、半分が公園になっていたりと、良い意味で地域に根ざした雰囲気を感じる境内でした。
それでも社務所が機能しており、御朱印を頂戴することができたのはありがたいことでしょう。
これからも地域で永く信仰されることを願うばかりです。


そんな神社巡りをしている間に、時間になったので高校時代の友人と合流して映画館へ移動します。
向かったのは、かの名高き爆音上映を行う立川シネマシティ、観てきたのは当然にガールズアンドパンツァー最終章の第2話です。
こちらも半月ほど前には公開されており、なかなか見る機会がなかったのが懸案事項だった一作です。
ネタバレ感想はまだ控える風潮ですが、全編通して大満足の出来栄えだったことだけは明記できましょう。
西隊長や知波単学園の評価が爆上がりとの評がよく見受けられますが、個人的にはBC自由学園のマリー隊長に随分、魅了されてしまいました。
何はさておき、3話目が早く観たいという気持ちばかりです。

そんな気持ちを抱えたまま、映画の後は立川で友人としばらく飲んで解散へ。
興奮冷めやらぬまま、夜を迎え、日曜を迎えました。


さておくも、やることに満ちていた金土から一転して、何もやることがないのが日曜日です。
本当にやることがない日曜日というのもなかなかに珍しいでしょう。
パソコンと携帯の画面を眺めながら、だらだらと過ごすことしかできません。

流石にこれではいけないと危機感を持ち、のそのそと行動を開始したのは夕方になってからのこと。
またしても上野へ向かい、御徒町で2日続けてのガルパン視聴をこなしてしまいました。

映画というのは本当に不思議なものですね。
特に自分は何をしたわけでもないのに、観終わった頃には何か一仕事終えた気分になってしまいました。
週末が無為に過ぎようとしていた焦燥感も、お陰でだいぶマシになったので、なんとか内房まで帰り着くことができるようになりました。


斯様な次第で映画を見たり、英気を養ったりと、ちょっと珍しい形態で過ごしてしまった3連休の週末。

今週も仕事の谷間な風情がありますので、今のうちに体勢を立て直して、人生を前に進めたいところですが……果たしてうまくいくことでしょうか。

梅雨時の例年行事

金曜日から猛烈な雨が襲い来たこの週末。

翌日から雨など予想できないほどの好天だった木曜日は、東京出張がてらに友人の“球蹴り番長”と秋葉原で一杯呑んでから帰宅の流れです。
翌日の金曜日も引き続き、仕事を定時で切り上げて、夜からは同期会で呑んだくれての帰宅。
2日続けての平日酒飲みを経て、ようやく迎えた土曜日が、何の因果か生憎の雨降り天気でした。


ところで、この季節の週末といえば毎年恒例なのが、親の実家の庭木剪定と枇杷の実収穫です。
もう何年以上、この季節にこの話題をしていることでしょうか。あまり新鮮味が無いのが悩みどころです。
そうは言えども、木は順調に育ちますし、なかなか機会のない親孝行の機会とも言えましょう。
今年はこの週末が、そんな庭木の伐採の週末と予定されていました……本来ならば。

ところが残念なことに、大雨の有様です。風も吹き荒んで、お外に出るのもちょっと危ないくらいです。
そうは言っても一度回りだした歯車は、そうそう止まらないもの。生憎の天気を無視して、ひとまずは父親と静岡へ行くことになりました。

もちろん、行ったところで剪定も収穫もできないので、代わりに部屋の本棚増設やキャンプ道具の整理に勤しみます。
一息ついた頃合いで、雨も落ち着いてきたので庭木の状態の確認へ。
作業にはままならないところでも、濡れた梅雨らしい庭木の見物にはちょうどよい頃合いです。
紫陽花が見頃を迎えておりました。
2019_06@梅雨のいろいろ017 2019_06@梅雨のいろいろ014
また、全く関係のない話ではありますが、萩と思われる木の葉についた水滴が、見事な球形になっているのも見つけました。
こういう撥水性の高い葉っぱを見ると、学生時代に超撥水効果について調べたことを思い出します。
学校の課題だったのですが、蓮の類を代表に幾種かの植物の葉は、表面に微細な起毛が生えています。
この起毛による表面構造のお陰で、一般的なワックスのような素材による撥水を遥かに上回る撥水性能が得られるのだそうです。
これはロータス効果と呼ばれ、葉っぱの清浄維持などに貢献しているとされています。
そんな葉っぱの清浄維持機能、この写真ではわかりにくいですが、萩の葉にもちゃんと、同様の産毛が生えているのを見て取ることがができました。
閑話休題。

行き場なく溢れかえっていた書籍類を、組み上げた本棚に押し込めたら、この日の仕事はオシマイです。
不完全燃焼感はあるものの、静岡の親の実家らしく、日本酒と刺し身で夜を過ごして就寝しました。


翌日曜日は、前日の雨降りが嘘のような快晴です。
前日の雨で空気中の塵が一掃されたのか、驚くべきほどに空が澄んでいました。
富士山もくっきりと見え、日向に立てば刺すような日光が突き刺さります。
ちなみに旧暦で言う五月晴れとは、こういった梅雨の合間の澄んだ晴れ間を指すのだとか。
新暦に慣れてしまって、あまり実感に合わない用法ですね。
閑話休題、再び。

天気も回復したので、土曜日にはできなかった庭木の剪定を行います。
日曜だけとは言え、多少は剪定できるのですからしぞーかまで来た意義を、ようやく見出だせた気分です。

手始めには鋸を片手に狙いの木へ取り付き、伸びすぎた枝を切り落とします。
あらかたの枝を落としたら、枝についた葉っぱや新芽をむしり落として大きめの枝だけの何かに加工します。
それが済んだら、みんな大好きなチェーンソーの出番です。
2019_06@梅雨のいろいろ023
枝だけの何かを適当なサイズに裁断して、今後の薪材へと加工していきます。
加工が済んだ枝は、薪置き場に積み上げていつかの出番を待ってもらうことになります。
おおよそ1年ほどかけて、内部の水分が抜けたら、BBQやキャンプで有効活用することになる予定です。

斯様な次第で、タスクを片したら道が混む前に実家へ撤収です。
実家に帰ってからは、来週以降の準備のための時間。諸々の機材や備品を点検して、大まかに車に積み込みました。

準備の時間も過ぎてしまえば、週末もお終いです。
いつものように夕飯を食べて……内房へ帰ることしかできません。
2019_06@梅雨のいろいろ025
ちなみに内房へ戻ると、木曜日のドサクサに買ってしまったデスクトップアーミーが、机上で出迎えてくれました。
正直、いつの間に組み上げたのか記憶が曖昧な面もありますが……ちゃんと部品も揃っているようなのでセーフとしましょう。
ヨドバシカメラの玩具コーナーで、半ば衝動買いに近いノリで、うっかり買ってしまいました。
背中に長砲身の何かを2連装するスタイル、ゾイドの時代から好きな装備形態でもあり、なかなかどうして気に入っています。
関節も動くらしいので、どこかの風景に持ち出してみても良いかも知れませんね。

地元紹介の週末

気温が乱高下し、空も落ち着かない6月半ば。
早い企業では賞与の支給も始まってるとかで、TLを眺めてみても心なしか落ち着かない人が多い気がします。

弊職場の賞与はまだ先の話ですが……先の金曜日は新人研修の受入期間の最終日。あわせて研修生には本配属地が内示されました。
新人はこの後、本社での束の間の研修を挟んで任地へと向かうことになります。
見知らぬ土地へと送り出される(予定)の新人が浮足立って歩き回っていれば、研修と関係のない人までどことなくワクワクしたような雰囲気となってしまいます。
仕事も今一つ身が入らない状況、この晩は壮行会もあるので早めに退社といたしました。
そんな訳で、見送りの宴から始まった週末、どことなく新しい何かが始まりそうな気分で迎えることになりました。


とは言っても、そんな都合よく新しいことが始まるわけではありません。
土曜日は諸々の野暮用が重なってしまい、千葉市街をウロウロしているうちに過ぎ去ってしまいます。
何をしたのか、今になって思い返すと何も言葉が出てこないのですが……ただ待ち時間がやたらと多く、読書が捗ったことだけは確かでしょう。

帰路に実家近くの飲み屋で少しばかり燃料を入れてから帰宅、土曜は終りを迎えました。


久しぶりに不完全燃焼となってしまった土曜から一転、日曜日は重要な予定が待っているので、ちゃんと起床します。

11時頃に実家を出て隣街へ赴き、合流したのはフォロワーの一条高雪さん。この4月に就職で神奈川へと下向された関西出身の方です。
小田急沿線の住民になられるとのことだったので、折角ですから我が地元――ではなく、自分が最も親しみ、彷徨った隣街の便利情報を紹介しようとお誘いした次第です。

生活に必要な具体的地名や、必見の仲見世商店街を紹介しつつ、ひとまずは肩慣らしの観光からはじめます。
もっとも、隣街一帯はどう言い繕っても郊外の商業集積地。観光地らしい場所など、国際版画美術館くらいなことでしょう。
幸いにも創作に興味のある方ですので、この美術館へ行く流れになりました。
この日はちょうど、中世から近代の肉体を描写した版画に着目した特別展を開催中。有料でしたが、見物しない手はないですね。
市立の美術館と軽く見ていたのですが、行ってみれば侮りがたしです。
歴史的にも貴重な版画が数多展示され、社会の教科書で見たリヴァイアサンの絵のような、思想史に名を残す書物の挿絵まで見ることができ、非常に勉強になりました。
隣街にはだいぶ詳しくなった気がしていたのですが、まだまだ知らないところがあるのだと、逆に思い知らされてしまう経験でした。

その後は市街地中心部に戻って、昼食を摂ってから模型店巡りへ。
隣街はいくつか模型を売るお店が生きているから素晴らしいです。
道中ついでにアニメイトやゲーマーズ、とらのあなのようなオタクショップの位置も示したので、必要なことも提示できたでしょう。
最後にヨドバシカメラに寄ってから、仲見世商店街へ戻って大判焼きを買い、この日のツアーは終了となりました。

転居してきたばかりの慣れない生活もあってか、日曜のお酒は控えたいとの要望を採用し、夕飯時になる前には撤収することになりました。



もっとも、社畜を拗らせたこちらとしては、日曜の夜に呑まない選択肢も、難しい判断です。
たまたま内房への帰路にフォロワーのつぼっちーずさんと行きあったので、新宿のこじんまりとしたインド料理屋で軽く飲んでいくことにしてしまいました。
飲んだ後には終電までゲーセンで時間潰し。潰すほどの時間もない気がしますが、ご愛嬌です。
彼の勧めでうっかり艦これアーケードに手を出してしまったのも、またご愛嬌。
新規参入には今更感もあったのですが……試しにやってみれば、艦これの初心に帰れる素朴さと、艦隊を自由に操れるゲーム性の両立に、うっかり心奪われそうになってしまいます。
気が向いたら、もう少し本気出してやってみても良いかも知れません。
言い知れぬ魔力を感じてしまったのですが、幸か不幸か、内房周辺にはこの筐体を置いたゲーセンはなし。
会社帰りの貯金箱にならなかったことだけが救いですね。


そんな次第で、特段の写真もなく淡々と過ぎてしまった週末です。
この先は……もう少し予定にも具体性が欲しいですが……生憎とあまり予定がないのが、ゆめもキボーもない感ですね。

繁忙多忙の書き置き

職場で新人研修の指導役を仰せつかってしまいました。
昼に指導して、夜に仕事をする有様です。
休日を守るには平日を捨てるしかないです。

そんな訳で日記を書くどころではないので、最低限のメモ書きだけを残して、後日の資料にしましょう。

土曜日はフォロワーの優月さんと東京散歩へ。
向島百花園から白鬚神社を巡り、東武博物館を見物。その後、浅草方面に足を向け、鷲神社と吉原神社、吉原観音に参拝してから、浅草の町並みを経て神谷バーで一杯引っ掛けました。
神谷バーで時間調整をしたら、秋葉原へ移動して神田祭を見物。神輿の巡幸を見届けてから、神田駅近くのクラフトビール店で飲んで帰宅しました。

一方の日曜日は初めての競馬場体験のため、フォロワーの朔氏、和泉冴氏と東京競馬場へ。
色々眺めて……特に賭けなかったらボロクソ言われましたが、それはそれ。
その後は登戸の飲み屋さんで飲んで、解散となりました。

写真をいずれ上げたいところですが……どうなることでしょうか。

連休余話

連休の日記を一気に書いてから、ふと思い出したのが、事の発端となったウズベキスタンへ行くことになった理由である。

日記と言うには冗長な駄文となってしまいますが、どこかに書き残さずにはいられないので、ここに書くことにいたします。


さて、全ての発端は2年前、「賭博師は祈らない」という電撃文庫のラノベが発売されたことに遡ります。
社会人になってから読んだ小説の中でも、一際琴線に触れた一作として、日記でもツイッターでも事あるごとに言及している個人的名作です。
本編は今年の1月に無事、最終5巻が刊行されて完結してしまいましたが、全編を通してみても“半月”や“戦略拠点32098楽園”に匹敵するものであると、自分では信じ切っています。

そんな近年稀に見る一押しラノベ、舞台も異世界モノ全盛の昨今には、珍しく18世紀のイギリスと実在する歴史上に設定していました。
ロンドンやバースのような実在する土地から、名もなき少領主の村まで、当時の習俗がオブラートに包まれながらも丁寧に描かれていたのが見どころの一つです。
海外聖地巡礼が安易になってきた今日この頃の風潮。これほどまでにハマったラノベの舞台が、実在するとあっては行かない手はないと言わざるを得ない状況でした。
そんな精神状態で迎えた去年の大型連休は、予定調和のごとくイギリスまで飛び立って、ロンドンにバースとばっちり観光を決めてしまいます。


さて、これで聖地巡礼すべき土地は一通り巡ったかと思えば、そんなことで気持ちが収まる「賭博師」への思いではありません。
特に気にかかるのが、遠い異国から売られてきた奴隷ヒロイン、リーラの出身地です。
おそらくは1巻の時点から作者の中では概ね固まっていたのでしょう。
小出しに描かれた故郷を忍ばせる描写として1巻の“カスピトラに郷愁する”下りや、“薄く淹れて牛乳と塩で味付けする紅茶”などが比較的早い時期から描写されていました。

このうち、カスピトラの生息域は新疆ウイグル自治区を含めて現在中央アジアと呼ばれる地域の山岳地帯に生息していたトラの一種です。
19世紀頃から乱獲により徐々に姿を消し、20世紀後半にはほぼ絶滅したとされていますが、18世紀頃であれば、目撃する機会もあったことなのでしょう。
一方の塩を入れたミルクティーの文化、どんぴしゃりの習俗をネットの海から拾い上げることはできませんでしたが、ネパールやモンゴルで類似の飲み方を見かけるようです。
モンゴル系も往古には中央アジアを席巻した遊牧民の血筋。現在の中央アジアでは多数派から外れているとは言え、国境や民族の境目が曖昧であった時代には、現在以上に混在していた可能性は十分に考えられます。

それを裏付けるように、4巻ではリーラ自ら世界地図の“清のやや西、インドの北”を指して「私の、国」と表現します。
18世紀の清帝国は西域への拡大を志向した時代。
当時、中央アジア東部で勢力をはったジュンガルと数次に渡る戦争を繰り返し、18世紀半ばに新疆省(現在の新疆ウイグル自治区)として併合しています。
リーラが用いた地図にどのような国境線が引かれていたかは不明ですが、続けて彼女は己の出自を中央アジアの「古い? 年上の? 部族?」と言及します。
時系列的に亡国の貴族とも考えにくいですが、滅亡したジュンガルの民、あるいはそれよりも古い部族を指しているのでしょう。
合わせて、その生まれ故郷を「草原と狼と旅の国」と表現していました。
狼自体は当時、ユーラシア大陸の全域に生息していたため、あまりヒントにはなりませんが……狼の伝承と言えば、モンゴル族の始祖である蒼き狼の伝説を想起させます。

そして最終巻の最後で、ストレートに明かされるのがリーラの本来の名前「カルゥガシュ・シャイフラムス」です。
何かの決定打となるかと期待したのですが、生憎と“シャイフラムス”でググっても、ヒットするのは「賭博師」関連ばかりです。
アルファベットやキリル文字での正書法がわかれば、あるいは違う結果なのかも知れませんが……今の私にはそこまでの語学力はありません。

さて、斯様な次第で、薄っぺらいにわか仕込みの中央アジア知識を並べ立てて考えても、感じ取れるのは何となく中央アジアの東側っぽい気がするという感想だけです。
現在の地図で言えば、新疆ウイグル自治区からキルギス、タジキスタン周辺にかかる山岳地帯が該当します。
もう少し真面目に考えるなら、「乙嫁語り」辺りでも読んでおくべきだったかな……嘆息してしまいます。


しかしながら、あれこれと空想を膨らませても、旅行に行くにはロマンと動機も大切ですが、予算と時間には逆らえません。
学生崩れのバックパッカーならいざ知らず、社畜が寸暇を惜しんで浮浪しているのですから、なおさら時間には色々とシビアです。

そうなってしまうと、漠然と「中央アジアに行きたい」と思っても、政情も交通インフラも不安定なのがネックになってしまいます。
年明けの「賭博師は祈らない」の5巻発売頃から、ぼちぼちと調べてみるのですが、結論として航空便が少ないか素人には難しいということがわかるばかりです。
その中で、比較的可能性がありそうだったのが、想定地域から少し東にズレた中国のウルムチ近辺と、今回行ったウズベキスタンの2箇所でした。

天秤にかけて、深刻に……最後まで考察に悩む素振りも良いですが、こうなってしまえば考察が主目的ではありません。
方向性が決すれば、聖地巡礼は二の次です。
どうせ行くなら、未だ入国スタンプをもらったことのない国。しかもシルクロード屈指の古都、現CIS諸国、偉大なる世界遺産の遺跡……さらにはビザ免除による入国ハードルの大幅な低下も後押しして、ウズベキスタン行きが決まってしまいました。


しかしながら、こうなってくると宿題もじわじわと増えていきます。
政情不安やビザの都合もある以上、近隣のキルギスやタジキスタンは後回しとしても、その先の新疆ウイグル自治区ならば何とかなる気がします。
具体的にはウルムチ、可能なら足を伸ばしてカシュガルくらいはいずれ行きたい気分です。

また「賭博師」本編も作中終盤はイギリスと関連する様々な地名が登場してきます。
リーラの故郷への玄関口、インド。おそらくは当時イギリスの有力な植民都市であったムンバイでしょう。
あるいは、主人公ラザルスの友人が流刑されたオーストラリア。ちょうど18世紀終盤は、現在のシドニーにあたる地域にオーストラリアで最初となる流民植民地が拓かれた時期とも重なります。

ムンバイもシドニーも、何もなければ無縁の土地。良い口実ができたので、いつかきっと行ける日が来ることを願ってしまいます。

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